対象手続1900万件!行政手続オンライン化の取組
皆様こんにちは。
横浜市デジタル統括本部です。
まず皆様にクイズです!
年に何回もする人もいれば、数年に渡ってしない人もいるものってなんでしょうか?
正解は・・・もうお分かりですね。
そう!「行政手続」です!
我々デジタル統括本部が立ち上がることになったきっかけでもありますが、コロナ禍以降、行政手続のオンライン化ニーズの高まりを受けて、多くの自治体で取り組んでいる課題であり、もちろん横浜市でも重要課題となっています。
今日はそんな行政手続オンライン化の取組に迫っていこうと思います。
そもそも「手続」ってなんでしょう?
オンライン手続を行うために必要となる事項を定めた「横浜市情報通信技術を活用した行政の推進等に関する条例」では、「手続等」を以下のように定義しています。
個別にみていくとこのようになります。
手続の中にはデジタル化の流れが起きるずっと前から行われているものも多く、長きに渡って紙とハンコを使って行っている手続をデジタルに置き換えるためには、条例等の改正作業や広報等も含めた準備をきちんとしないとかえって市民の皆様の混乱を招き、職員側も負担だけが増えてしまうという可能性もありますので、できるだけ速やかに、かつ様々なことに配慮しながら行っていく必要があります。
370万都市における行政手続とは
ゆりかごからおくやみまで、皆様の暮らしや社会活動を支える行政には様々な活動における「手続」が発生しますが、行政の手続はビジネスの世界と違ってニーズの大小に関わらず存在します。
横浜市では、種類にして約1万、件数にして約1900万件の手続があり、その中には年間数件というものから年間数百万件にのぼるものまで様々な手続があります。オンライン化にあたっては重点対象として年間総受付件数の約9割を占める「上位100手続」を3Q(令和6年度)までにオンライン化することとしています。
横浜市で最も多い件数を扱うのは図書の予約申し込み(約310万件/年)です。
それ以外では、市内約80の市民利用施設の利用予約申請(約220万件/年)、住民票の写し(約205万件/年)や印鑑登録証明書交付申請(約109万件/年)、粗大ごみの収集受付(約93万件/年)という市民の皆様に馴染みのあるものから、建築計画概要書の閲覧申請(約5万件/年)や道路占有許可申請(約2万件/年)などの事業者向け手続まで、様々な手続が存在しています。(正直、市役所職員ですら「そんな手続あるんですね…。」と思うようなものもあり、リアルな市民生活の多様性と複雑さに思いをはせる時もあります。)
オンライン化による「時間のデザイン」
これまでの窓口来訪と自筆による申請書等作成を基本とした行政サービスは、手続とその処理に多くの時間を要していましたが、これからの「行政のDX」によって目指すのは、「時間や場所にとらわれず行政サービスを得ることができる」というユーザー体験の実現です。
例えば、令和3年から導入された住民票や戸籍証明、税関係証明書の交付におけるオンライン請求受付開始によって、窓口までの往復の時間や待ち時間などを市民の皆様が負担する必要がなくなったことで最大90%の時間を皆様にお返しできるようになりました。
また、令和4年3月に導入された「こどもの一時預かりWEB予約システム」は、空き状況の確認やキャンセル待ちで何度も電話をかける負担から保護者を開放し、短時間でサービス利用へたどり着けるようになることで、保護者だけではなく施設側職員の負担を減らすことにもつながっています。
横浜DX戦略においては、まずは年間総受付件数の9割を占める上位100件手続について、令和6年度までにオンライン化とスマートフォン対応を行っていく予定です。
また、それ以外に年間受付件数1000件以上の手続(約600手続)についても、柔軟に手法を検討しオンライン化の取組を進めることとしています。
令和4年度については、電子申請・届出システムの電子決済機能の稼働が10月に予定されており、申請時にお支払いいただく手数料等についてオンラインでの納付が可能となる予定です。令和4年度はクレジットカード決済のみに対応しますが、次年度以降順次電子マネーなどの決済方法に対応していく予定です。
民間企業のスピード感に比べればまだまだ歩みは遅いかもしれませんが、引き続き市民の皆様の利便性向上に努めていきます!